第八百五十一条  後見監督人の職務は、左の通りである。
一  後見人の事務を監督すること。
二  後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること。
三  急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること。
四  後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること。

第八百五十二条  第六百四十四条 、第六百五十四条 、第六百五十五条 、第八百四十三条第四項、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は、後見監督人について準用する。
    第三節 後見の事務


第八百五十三条  後見人は、遅滞なく被後見人の財産の調査に著手し、一箇月以内に、その調査を終わり、且つ、その目録を調製しなければならない。但し、この期間は、家庭裁判所において、これを伸長することができる。
○2  財産の調査及びその目録の調製は、後見監督人があるときは、その立会を以てこれをしなければ、その効力がない。

第八百五十四条  後見人は、目録の調製が終わるまでは、急迫の必要がある行為のみをする権限を有する。但し、これを善意の第三者に対抗することができない。

第八百五十五条  後見人が、被後見人に対し、債権を有し、又は債務を負う場合において、後見監督人があるときは、財産の調査に著手する前に、これを後見監督人に申し出なければならない。
○2  後見人が、被後見人に対し債権を有することを知つてこれを申し出ないときは、その債権を失う。

第八百五十六条  前三条の規定は、後見人が就職した後被後見人が包括財産を取得した場合にこれを準用する。

第八百五十七条  未成年後見人は、第八百二十条から第八百二十三条までに規定する事項について、親権を行う者と同一の権利義務を有する。ただし、親権を行う者が定めた教育の方法及び居所を変更し、未成年被後見人を懲戒場に入れ、営業を許可し、その許可を取り消し、又はこれを制限するには、未成年後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。

第八百五十八条  成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たつては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。

第八百五十九条  後見人は、被後見人の財産を管理し、又、その財産に関する法律行為について被後見人を代表する。
○2  第八百二十四条但書の規定は、前項の場合にこれを準用する。

第八百五十九条の二  成年後見人が数人あるときは、家庭裁判所は、職権で、数人の成年後見人が、共同して又は事務を分掌して、その権限を行使すべきことを定めることができる。
○2  家庭裁判所は、職権で、前項の規定による定めを取り消すことができる。
○3  成年後見人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。

第八百五十九条の三  成年後見人は、成年被後見人に代わつて、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。

第八百六十条  第八百二十六条の規定は、後見人にこれを準用する。但し、後見監督人がある場合は、この限りでない。

第八百六十一条  後見人は、その就職の初において、被後見人の生活、教育又は療養看護及び財産の管理のために毎年費すべき金額を予定しなければならない。
○2  後見人が後見の事務を行うために必要な費用は、被後見人の財産の中から支弁する。

第八百六十二条  家庭裁判所は、後見人及び被後見人の資力その他の事情によつて、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる。

第八百六十三条  後見監督人又は家庭裁判所は、何時でも、後見人に対し後見の事務の報告若しくは財産の目録の提出を求め、又は後見の事務若しくは被後見人の財産の状況を調査することができる。
○2  家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求によつて、又は職権で、被後見人の財産の管理その他後見の事務について必要な処分を命ずることができる。

第八百六十四条  後見人が、被後見人に代わつて営業若しくは第十二条第一項 に掲げる行為をし、又は未成年被後見人がこれをすることに同意するには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。ただし、元本の領収については、この限りでない。

第八百六十五条  後見人が、前条の規定に違反してし、又は同意を与えた行為は、被後見人又は後見人において、これを取り消すことができる。この場合には、第十九条 の規定を準用する。
○2  前項の規定は、第百二十一条 乃至第百二十六条 の規定の適用を妨げない。

第八百六十六条  後見人が被後見人の財産又は被後見人に対する第三者の権利を譲り受けたときは、被後見人は、これを取り消すことができる。この場合には、第十九条 の規定を準用する。
○2  前項の規定は、第百二十一条 乃至第百二十六条 の規定の適用を妨げない。

第八百六十七条  未成年後見人は、未成年被後見人に代わつて親権を行う。
○2  第八百五十三条乃至第八百五十七条及び第八百六十一条乃至前条の規定は、前項の場合にこれを準用する。

第八百六十八条  親権を行う者が管理権を有しない場合には、未成年後見人は、財産に関する権限のみを有する。

第八百六十九条  第六百四十四条 及び第八百三十条の規定は、後見にこれを準用する。
    第四節 後見の終了


第八百七十条  後見人の任務が終了したときは、後見人又はその相続人は、二箇月以内にその管理の計算をしなければならない。但し、この期間は、家庭裁判所において、これを伸長することができる。

第八百七十一条  後見の計算は、後見監督人があるときは、その立会を以てこれをする。

第八百七十二条  未成年被後見人が成年に達した後後見の計算の終了前に、その者と未成年後見人又はその相続人との間にした契約は、その者においてこれを取り消すことができる。その者が未成年後見人又はその相続人に対してした単独行為も、同様である。
○2  第十九条 及び第百二十一条 乃至第百二十六条 の規定は、前項の場合にこれを準用する。

第八百七十三条  後見人が被後見人に返還すべき金額及び被後見人が後見人に返還すべき金額には、後見の計算が終了した時から、利息をつけなければならない。
○2  後見人が自己のために被後見人の金銭を消費したときは、その消費の時から、これに利息をつけなければならない。なお、損害があつたときは、その賠償の責に任ずる。

第八百七十四条  第六百五十四条 及び第六百五十五条 の規定は、後見にこれを準用する。

第八百七十五条  第八百三十二条に定める時効は、後見人又は後見監督人と被後見人との間において後見に関して生じた債権にこれを準用する。
○2  前項の時効は、第八百七十二条の規定によつて法律行為を取り消した場合には、その取消の時から、これを起算する。
   第五章の二 保佐及び補助

    第一節 保佐


第八百七十六条  保佐は、保佐開始の審判によつて開始する。

第八百七十六条の二  家庭裁判所は、保佐開始の審判をするときは、職権で、保佐人を選任する。
○2  第八百四十三条第二項から第四項まで及び第八百四十四条から第八百四十七条までの規定は、保佐人について準用する。
○3  保佐人又はその代表する者と被保佐人との利益が相反する行為については、保佐人は、臨時保佐人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。ただし、保佐監督人がある場合は、この限りでない。

第八百七十六条の三  家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被保佐人、その親族若しくは保佐人の請求によつて、又は職権で、保佐監督人を選任することができる。
○2  第六百四十四条 、第六百五十四条 、第六百五十五条 、第八百四十三条第四項、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百五十条、第八百五十一条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は、保佐監督人について準用する。この場合において、第八百五十一条第四号中「被後見人を代表する」とあるのは、「被保佐人を代表し、又は被保佐人がこれをすることに同意する」と読み替えるものとする。

第八百七十六条の四  家庭裁判所は、第十一条 本文に掲げる者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によつて、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
○2  本人以外の者の請求によつて前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
○3  家庭裁判所は、第一項に掲げる者の請求によつて、同項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。

第八百七十六条の五  保佐人は、保佐の事務を行うに当たつては、被保佐人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。
○2  第六百四十四条 、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項、第八百六十二条及び第八百六十三条の規定は保佐の事務について、第八百二十四条ただし書の規定は保佐人が前条第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人を代表する場合について準用する。
○3  第六百五十四条 、第六百五十五条 、第八百七十条、第八百七十一条及び第八百七十三条の規定は保佐人の任務が終了した場合について、第八百三十二条の規定は保佐人又は保佐監督人と被保佐人との間において保佐に関して生じた債権について準用する。
    第二節 補助


第八百七十六条の六  補助は、補助開始の審判によつて開始する。

第八百七十六条の七  家庭裁判所は、補助開始の審判をするときは、職権で、補助人を選任する。
○2  第八百四十三条第二項から第四項まで及び第八百四十四条から第八百四十七条までの規定は、補助人について準用する。
○3  補助人又はその代表する者と被補助人との利益が相反する行為については、補助人は、臨時補助人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。ただし、補助監督人がある場合は、この限りでない。

第八百七十六条の八  家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被補助人、その親族若しくは補助人の請求によつて、又は職権で、補助監督人を選任することができる。
○2  第六百四十四条 、第六百五十四条 、第六百五十五条 、第八百四十三条第四項、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百五十条、第八百五十一条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は、補助監督人について準用する。この場合において、第八百五十一条第四号中「被後見人を代表する」とあるのは、「被補助人を代表し、又は被補助人がこれをすることに同意する」と読み替えるものとする。

第八百七十六条の九  家庭裁判所は、第十四条第一項 本文に掲げる者又は補助人若しくは補助監督人の請求によつて、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
○2  第八百七十六条の四第二項及び第三項の規定は、前項の審判について準用する。

第八百七十六条の十  第六百四十四条 、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項、第八百六十二条、第八百六十三条及び第八百七十六条の五第一項の規定は補助の事務について、第八百二十四条ただし書の規定は補助人が前条第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被補助人を代表する場合について準用する。
○2  第六百五十四条 、第六百五十五条 、第八百七十条、第八百七十一条及び第八百七十三条の規定は補助人の任務が終了した場合について、第八百三十二条の規定は補助人又は補助監督人と被補助人との間において補助に関して生じた債権について準用する。
   第六章 扶養


第八百七十七条  直系血族及び兄弟姉妹は、互に扶養をする義務がある。
○2  家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合の外、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
○3  前項の規定による審判があつた後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

第八百七十八条  扶養をする義務のある者が数人ある場合において、扶養をすべき者の順序について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。扶養を受ける権利のある者が数人ある場合において、扶養義務者の資力がその全員を扶養するに足りないとき、扶養を受けるべき者の順序についても、同様である。

第八百七十九条  扶養の程度又は方法について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める。

第八百八十条  扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があつた後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消をすることができる。

第八百八十一条  扶養を受ける権利は、これを処分することができない。
  第五編 相続
   第一章 総則


第八百八十二条  相続は、死亡によつて開始する。

第八百八十三条  相続は、被相続人の住所において開始する。

第八百八十四条  相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知つた時から五年間これを行わないときは、時効によつて消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様である。

第八百八十五条  相続財産に関する費用は、その財産の中から、これを支弁する。但し、相続人の過失によるものは、この限りでない。
○2  前項の費用は、遺留分権利者が贈与の減殺によつて得た財産を以て、これを支弁することを要しない。
   第二章 相続人


第八百八十六条  胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
○2  前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、これを適用しない。

第八百八十七条  被相続人の子は、相続人となる。
○2  被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によつて、その相続権を失つたときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。但し、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
○3  前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によつて、その代襲相続権を失つた場合にこれを準用する。

第八百八十八条  削除

第八百八十九条  左に掲げる者は、第八百八十七条の規定によつて相続人となるべき者がない場合には、左の順位に従つて相続人となる。
  第一 直系尊属。但し、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
第二 兄弟姉妹
○2  第八百八十七条第二項の規定は、前項第二号の場合にこれを準用する。

第八百九十条  被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、前三条の規定によつて相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。
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